質屋がつける値段の査定基準についてご説明いたします。
下の各項目をクリックすると詳しい説明にジャンプします。

貴金属
金やプラチナの貴金属製品は、どんなに古くても汚れていても切れていても、財産的価値があります。基準は重さということになります。

ダイヤ
ダイヤの値段は大きさだけで決まるものではありません。色、カット、透明度、など4種類の総合評価でランク付けされる国際評価を基準に査定致します。

時 計
舶来や国産の高級時計も一生モノの財産として価値がありますが、安価なファッション時計は値段が付けられない場合もあります。

宝石類
ルビー、サファイヤ、エメラルド等の宝石類の鑑定は質屋の腕の見せどころ。鑑別書などもありましたらご一緒にお持ち下さい。

ブランドバッグ・小物
ブランドバッグ、財布、ブランドアクセ等は、その時々の人気によって値段が変わります。ヴィトン等はかなりの中古品でも値段が付きます。
パソコン・家電製品
パソコン、ムービー、DVDレコーダーなどデジタル家電は、古くなると値段が付きません、また付属品も必要ですのでご注意下さい。
カメラ
カメラは最近の普及型AFカメラよりも、往年の名機やセミプロ用カメラやライカ等舶来有名ブランドが高値査定出来ます。

楽器
ギターやバイオリン、トランペットなど楽器類は国産舶来を問わず有名ブランドの品に高値で査定できます。安価な無名メーカー品は値が付かない場合もあります。

ここから下は、種類別の詳しい説明になります。

貴金属査定のポイント
査定のポイントは重さです。
 例えば18金の製品ならネックレスの留金の部分や指輪の裏側に[K18]の刻印があります。品物によっては違う場所にあるかもしれませんが、探してみて下さい。これは24分の18、つまり75パーセントの純度の金製品であることの証です。同じように[K20][K24]と刻印されたものもあります。それぞれ20金(純度83%)24金(純度100%)の証で、K24のかわりに[純金]と書かれた物もあります。純金は柔らかすぎるので貴金属製品の多くには18金が使われていますが、下の写真のように国旗の絵と菱形に750など純度が彫られた刻印は財務省の認定マークです。プラチナの場合にも[Pt900][Pt850]という刻印が打たれています。
 査定のポイントは殆ど重さです。買う時はデザインによって値段も違うと思いますが、中古相場では(18金のその日の値段)×(製品の重さ)という式で値段が出てきます。小さい色石が散りばめられたファッションリングでも基本は重さで値段を算出します。ただしどんなに古くても、切れていても汚れていても名前が掘ってあっても現在の値段でお取り扱いいたします。




ダイヤ査定のポイント
ダイヤの値段は大きさだけで決まるものではありません
 良質のダイヤモンドは大変高価な宝石で、その値段は[重さ=Carat]、[色= colour]、[異物の混入割合=clarity]、[形 =cut]の四つの尺度で測られ、値段もその総合評価で決まります。
簡単に言うと重さ=大きさは大きいほど貴重で高価です。通常指輪でしたら裏側に、石目(カラット数)が刻印されています。同じグレードなら10ヶ合計で2カラットより1ヶで1カラットの方が格段に高価です。
 カラーは透明な物ほど高価で、黄色味を帯びるほど安くなり、褐色のダイヤは削岩機や歯科医のドリルなど工業用に使われる以外に価値がありませんが、ピンクやブルーなどのカラーダイヤは大変高価なものです。
 クラリティーは、石の中に入った異物の割合、形、場所などで決まります。ダイヤは天然の鉱物ですので、その生成過程で周りにある異物を取り込んで成長して出来上がります。ですからこの異物(インクルージョン)は天然の印ではあるのですが、輝きを阻害する要素でもありますので、この量が少ない方が高価です。
 カットは原石をダイヤの形に切ったときの微妙な形のずれを評価します。ダイヤの原石はピラミッドを二つ重ねたような正八面体です。これを一番輝きがいいラウンドブリリアントカットに切るわけですが、あまりに輝きを追求すると一つの原石から取れるダイヤの大きさが小さくなってしまうために、そこそこの輝きでなるべく大きなダイヤを取るように職人が腕を振るうわけですが、それがまた値段に反映します。
 これらのグレードについては鑑定書に記載されています。ちなみに「鑑定書」というのはカラーやクラリティー等ダイヤの評価が書かれたシートで、「天然ダイヤと認む」などその石の真贋が書かれたシートは鑑別書と言って区別しています。当店では信用ある鑑定機関に通って宝石鑑定の勉強をしておりますので、ダイヤの評価については自信がありますが、この鑑定書がございましたら、品物と一緒に持ってきていただけると、より正確な値段が出せますのでお持ち下さい。



 色石(ルビー、サファイヤ、エメラルド等)査定のポイント
色石はスカッとしてるもの
 色石の査定もダイヤとほぼ同じです。大きくて、形が良くて、内包物が少なく、色のいい物が高価です。
 この中で色については、色石の特徴ですので大変重要視されます。例えばルビーでもサファイヤ、エメラドでも色の濃い色が好まれます。“濃い”であって“暗い”ではないのです。透明石ですから、やはりスカッと透明で、なおかつ明るくて、濃い色。この相反するような条件を満たした石が最良で、もっとも高価です。
 色石の中でも、上にあげたルビー、サファイヤ、エメラルドは3大宝石と言われ人気も高く、これに加えてキャッツアイ、アレキサンドライト、ブラックオパールなどが人気です。それとヒスイ、珊瑚などは着物にも似合うので良質の物は日本で特に人気があります。珊瑚は血赤色で大粒の球形のみ、ピンクは安く、ヒスイも琅于と言われる透明感のある緑色が最高級です。薄紫色の翡翠もラベンダー翡翠と言われ人気があります。それ以外の石、トパーズやアメジスト、トルマリン、アクアマリンなどについては、よっぽど大きいとか変わった色をしているものでなければ、石の値段は付けにくいでしょうか、パールは現在暴落状態です他の宝石と違って養殖技術が広まり大量に作られることと、耐久性の悪さが安価の原因です。真珠は酸に弱いためにレモン汁はもちろん、汗が着いてそのまましまっておいても表面が荒れてしまいます。その点に注意して査定しています。


 時計査定のポイント

 時計は大変趣味性が高い品物で、定価よりもそのブランドやモデルによって大きく値段が違ってきます。輸入腕時計で現在人気があるのはドレスウォッチよりもスポーツウォッチです。ダイバー系の時計やクロノグラフ機構の付いたメカニカルなものが人気があります。カルティエやブルガリ、オメガやIWCなど各ブランドともマニアが唸るような個性的で魅力的な時計が揃っているのですが、それでも一番人気はやはりロレックスになってしまいます。高品質で高価格、ブランドにまつわる逸話のどれをとっても人気のあるのはあたりまえ。ただしシリアルナンバーで製造年度がすぐ分かるので、古い機械はそれなりに値段も落ちていきます。逆に人気の落ちてきたのがコルム、ダンヒル。そして定価に比べて相場が安い時計もあります。ダンヒル、ロンジンなどは定価の設定に疑問があるものもあります。そして無名のファッションウォッチは全く値段がつけようもないものもありますのでご了承ください。

 ブランドバッグ査定のポイント

 時計はロレックスならばバッグはルイヴィトンです。特にモノグラムの人気モデルなら新品の状態で、定価の8割を越える値段も珍しくありません。ただし同じヴィトンでもエピは安いですね、
 ヴェルニは表面の皮が焼けやすい為に敬遠されています。ド派手な芸能人がシャネラーと称してテレビに出まくった為に人気が凋落したシャネルも近頃人気が回復してきました。ただシャネルも人気の有無が激しく、経年変化も激しいのであまり古いと値段が付けられない物もあります。なおヴィトンでもあるのですが、一部の商品で内ポケットや外側のポケットの内張りどうしがくっついてしまい、表面がはがれてしまっている物がよく見かけます。これは日本の湿度に耐えられなかった構造上の問題で、直営店で直してもらえるはずですが、この点も減額のポイントになってしまいます。
 エルメスは超高級バッグ、流行に関係なく高価で取り引きされる、と言いたいところですが、今までちょっと加熱過ぎた感じでした。ようやく落ち着いてきました。ケリーやバーキン等は、クロア(ベルト)先端の裏側の記号で製造年代が分かります。製造年が新しければ査定値段もアップします。
 グッチ、フェンディーなども人気のモデルはいい値段をつけることは出来ますが、やはりヴィトンと比べることは出来ません。
 バッグについては、使用するとキズや汚れが目立ってきます。皮がすり切れ、糸がほころび、染みが出来る。そうなると査定価格が出せなくなってきます。基本は中古でもいいから欲しい値段ですから。この点でもヴィトンは強く、当店ではルイ・ヴィトンの品は多少の汚れや焼けがあってもなるべく高価にお取り扱いいたします。

 カメラ査定のポイント

 カメラは大変趣味製の高い品物で、憧れの機種を手に入れるためなら、中古でもキズがあっても欲しいものです。
 ただしそれはプロ用の高級一眼レフや中判カメラの話、オートフォーカスになった普及型の一眼レフや、ストロボコンパクトカメラの場合、電気製品と同じで新機種が値崩れして売り出されていますので中古の人気はありません。得にAPSフィルムを使用するカメラは値が付かない状態です。
 マニアの好む物高級機となると、一眼レフならオートフォーカスよりも、マニュアルフォーカス。20年前に発売されたニコンのF2フォトミック50ミリのレンズがついて、今でも3万円前後で査定いたします。このへんマニアでなければわからない世界ですね。


 電気製品査定のポイント

 電気製品は常に新製品の方が高性能で安価なものです。例えばデジカメ、2年前に130万画素で4万円した物が新製品では、400万画素で4万円というのも珍しくありません。パソコンやデジカメは極端な例かもしれませんが、MDはMDLP機能が付いたり、FAXは普通紙が主力になったり、消費者の方々も多少値段が安くても機能が制限される中古品は敬遠されがちで、中古品の値段はつきにくいのが現状です。
 電気製品については故障品に気をつけています。パソコンの場合、お持ちになった時点でお客様ご自身に一度起動していただいております。またビデオやムービーなどについてもテープの出し入れなど一連の操作をさせていただきます。その際、一番多い故障個所はパソコンはOSを読み込まなかったり液晶モニターに光らない部分があったり、ビデオはテープがからんで出なかったりすることです。またビデオの場合ヘッドが磨り減っている場合が多く、テレビに繋いで画像を見ながらの確認が必要です。

 楽器査定のポイント
 楽器は当然趣味性の高い品物ですので、マニアの方はどうしても手にしてみたい名品という物があって、それゆえ中古相場が安定する品種です。良い物を手にしたお客様はご自分の楽器への思い入れも相当な物で、当然お客様は自分の楽器がベストな状態と思いたい物ですが、例えばエレキギターの場合、実際チェックしてみると電気系(アッセン)にガリが出ていたり、ネックが反っていたりします。お客様が「殆ど弾いていない。」などとおっしゃる事も多いのですが、確かに外見的にキズは付いていませんが、楽器は生き物で、適度の使用していないと以上の不具合が発生しています。特にネックの反りは致命傷となることが多く慎重に扱いたいものです。
 楽器は電気製品と違い、モデルごとの人気が定価とは違ったところにあることに面白さがあります。名品というのは確かにあるのですが、それ以外でもミュージシャンが使用したモデルなど、その商品が今現在ユーザーに人気があるかないか、時代を読みとる感も必要になってきます。この見極めが質屋の腕の見せ所でもあるわけですが、経験と市場とのバランス感覚が重要なポイントです。
 アコースティックギターの場合も同じで、程度の見極めの基本はネックの反りです。ただエレキよりデリケートな品だけに表面板の浮き、凹み、ブレーシングの剥がれ、さらには湿度管理のまずさから塗装のヒビ割れなど、手作業の工芸品を扱うのと同じ注意が必要になります。マーチンなどに代表されるヴィンテージ物となると逆にひび割れがあるのが普通で、“それなり”という値段の中身が難しいところです。
 管楽器については、状態の悪い物は中古値段が立たなくなってしまいます。これは恐らく口を付けて音を出す品だけに、あまり汚いものは売れないのが現実だからです。代表的なサックスを例にとると、凹んでいたり、塗装が剥げていたり、キィががたついたり、タンポ(指で押す部分の下に付いている丸いパッド)が傷んでいる場合は減額の対象となります。こちらもヴィンテージ物が存在し、セルマーを中心とした高額品が多く持ち込まれます。木管楽器につきましては、これもアコスティックギターと同じでデリケートなものですので、外見の状態が良く見えても修理等のメンテナンスが必要とされる物が非常に多く、そのへんを厳密に査定すると必然的に値段は下がってしまいます。

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